健康とウェルネス > 乳由来たんぱく質 (ホエイ、ミルク)
高たんぱく質の食事
ホエイをはじめとする乳製品や原料などのたんぱく質は高品質です。これらを含む食品や飲料は健康促進を目指すのに役立ち、健康的に年を取ること、満腹感と体重の管理、運動後の回復などに効果があります。米国農務省 (USDA)、欧州食品安全機関 (EFSA)、世界保健機関 (WHO) はそれぞれ、成人が 1 日に摂取するたんぱく質量として、体重 1 キロあたり 0.8g を推奨しています。1,2,3 これは、体重によりますが概ね 46g - 56g の範囲の摂取量が必要だと言い換えることができ (70kg の成人 x 0.8g = 56g)、たんぱく質欠乏症を避けるために最低限必要な摂取量でもあります。しかしながら、追加でたんぱく質を摂取しても、最低限の摂取量では、健康面でのメリットを最大限に引き出すには必ずしも十分ではありません。また、保健機関の推奨ではたんぱく質を摂取するのに最適なタイミングと食事のタイプごとの適正な摂取量に関する案内が欠けており、この必須栄養素が体内で最大限に吸収され使用されるようにするには不十分です。
たんぱく質のメリットを最大限に引き出すために、総カロリー摂取量を考慮
個々のたんぱく質のニーズを特定し、たんぱく質の摂取量を増やすメリットを最大限に引き出すために、米国医学研究所は 1 日に必要な総カロリー量の 10 - 35% をたんぱく質から摂取することを推奨しています。これは許容主要栄養素分布範囲 (AMDR) と言われるものです。4 オーストラリア、ニュージーランド、欧州連合、世界保健機関も、総カロリー摂取量に対するたんぱく質の割合の許容範囲を報告しています。
- オーストラリア/ニュージーランド:最大 25%
- 欧州食品安全機関2 :最大 27% ̂
- 米国1: 10 - 35%
- WHO(世界保健機関)3 :最大 27% ̂
*体重 1 キロあたり 1.7g に基づく - 同じ上限の毎日のたんぱく質摂取量
世界中の消費者の、平均的な 1 日あたりのたんぱく質摂取量は、全体のカロリー摂取量に対する割合として許容範囲の下限にあたります。結果として、おいしくて高品質の乳由来たんぱく質を使って、人々がたんぱく質摂取量を増やし、その恩恵を得られるように貢献する余地があります。
たんぱく質をたくさん摂取することで、より多くのたんぱく質を作る
たんぱく質は身体の構造、機能、すべての組織と器官の制御において欠かせない役割も果たしています。たんぱく質は、下記の事をするのに欠かせません。
- 抗体合成: 体が細菌やウイルスと戦うのを助けます。
- 酵素合成: 化学反応を進め、DNA に格納された遺伝情報を読み取ります。
- メッセンジャー機能: さまざまな細胞、組織、器官の間で信号を伝達します。
- 輸送: 細胞間や体全体で原子と分子を運びます。
- 動き: たんぱく質は筋肉の主成分であり、筋肉のおかげで体を動かせます。
身体は上記の行程に必要なたんぱく質を作ることができますが、それには十分な必須アミノ酸 (たんぱく質の構成要素) を含む食事が必要です。乳製品に含まれるような高品質のたんぱく質を十分にとることによって、必須アミノ酸のニーズを満たし、さらなるたんぱく質を作ることができます。
筋肉と体の動きについて言えば、乳由来たんぱく質は理想の選択肢です。例えば、ホエイたんぱく質にはロイシンなどの分枝鎖アミノ酸と呼ばれる特殊なアミノ酸が含まれ、筋肉の合成を促す独自の機能があります。ホエイたんぱく質も消化されやすく、速やかに吸収され、風味にクセがないため、あらゆる食事やおやつに簡単に取り入れることができます。
食品中の分枝鎖アミノ酸の含有量
食品 | ロイシン | イソロイシン | バリン |
大さじ約1杯 (36g) の分離ホエイたんぱく質+ | 4.7g |
2.1g |
1.9g
|
大さじ約1杯(36g) の分離大豆たんぱく質 |
2.4g |
1.5g |
1.5g |
100g (3.5 オンス) のサーロイン ステーキ |
2.3g |
1.3g |
1.4g |
100g (3.5 オンス) の鶏の胸肉 |
2.5g |
1.5g |
1.6g |
227g (8オンス) の低脂肪ヨーグルト |
1.3g |
0.7g |
1.1g |
236ml (8オンス) の脱脂粉乳 |
0.9g |
0.5g |
0.6g |
卵 1 個 |
0.5g |
0.3g |
0.4g |
30g (1 オンス) のピーナッツ バター |
0.5g |
0.2g |
0.2g |
出典:USDA National Nutrient Database for Standard Reference, Release 26
+USDEC Reference Manual for U.S. Whey and Lactose Products (米国産ホエイ・乳糖製品のリファレンス マニュアル)
1 U.S. Department of Agriculture and U.S. Department of Health and Human Services.Dietary Guidelines for Americans, 2010. 7th Edition, Washington, DC:U.S. Government Printing Office, December 2010
2 EFSA Panel on Dietetic Products, Nutrition and Allergies (NDA); Scientific Opinion on Dietary Reference Values for Protein.EFSA Journal 2012;10(2):2557 [66 pp.]. doi:10.2903/j.efsa.2012. 2557.www.efsa.europa.eu/efsajournal>.
3 World Health Organization Technical Report Series.Protein and Amino Acid Requirements in Human Nutrition: report of a joint FAO/WHO/UNU expert consultation.Number 935.http://whqlibdoc.who.int/trs/who_trs_935_eng.pdf>.2014 年 6 月 3 日参照.
4 Institute of Medicine.Dietary Reference Intakes:Macronutrients.http://www.iom.edu/~/media/Files/Activity Files/Nutrition/DRIs/DRI_Macronutrients.pdf>.2014 年 6 月 3 日参照.
5 Australian Government, Department of Health and Ageing.Nutrient Reference Values for Australia and New Zealand.Including Recommended Dietary Intakes.http://www.nhmrc.gov.au/_files_nhmrc/publications/attachments/n35.pdf>.2014 年 6 月 3 日参照.