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健康と栄養
米国産の粉乳には、高品質のたんぱく質と、消化がよく体内に完全に吸収されるアミノ酸が含まれています。粉乳のたんぱく質の 20% を占めるホエイたんぱく質は、さまざまな健康増進特性を備えているため、高く評価されています。
粉乳はカルシウム、リン、マグネシウムなどの可溶性ビタミンとミネラルを豊富に含み、幅広い製品の栄養強化に使用することができます。なお、脱脂粉乳100 g 中にはカルシウムが 1,300 mg 含まれています。さらに粉乳は健康的なイメージを高め、クリーンラベル化を推進するのに役立ちます。
栄養面でのメリット
牛乳は必須アミノ酸、カルシウムなど、さまざまなビタミンやミネラルを含む栄養価の高い食品です。粉乳の栄養価は製品によって異なりますが、原料である牛乳の栄養特性を多く受け継いでいます。以下のチャートは、無脂肪ドライ ミルク (NDM) / 脱脂粉乳、全脂ドライ ミルク / 全脂粉乳、バターミルク パウダー / ドライバターミルクの平均的な栄養価を示しています。
一般的な粉乳の成分比較
無脂肪ドライ ミルク (NDM) | 全脂ドライ ミルク | ドライバターミルク | |
---|---|---|---|
たんぱく質 (%) | 36.00 | 26.50 | 34.00 |
乳糖 (%) | 51.00 | 38.00 | 48.00 |
脂質 (%) | 0.70 | 26.75 | 5.00 |
水分 (%) | 3.00 | 2.25 | 3.00 |
総ミネラル (%) | 8.20 | 6.00 | 7.90 |
カルシウム (%) | 1.31 | 0.97 | 1.30 |
リン (%) | 1.02 | 0.75 | 1.00 |
ビタミン A (I.U./ 100 g) | 36.40 | 1,091.30 | 507.10 |
チアミン / ビタミン B1 (mg / 100 g) | 0.35 | 0.26 | 0.26 |
リボフラビン / ビタミン B2(mg / 100 g) | 2.03 | 1.48 | 3.09 |
ナイアシン / ビタミン B3 (mg / 100 g) | 0.93 | 0.68 | 0.99 |
ナイアシン当量 (mg / 100 g) | 9.30 | 6.75 | 8.95 |
パントテン酸 (mg / 100 g) | 3.31 | 2.87 | 3.09 |
ピリドキシン / ビタミン B6 (mg / 100 g) | 0.44 | 0.33 | 0.44 |
ビオチン (mg / 100 g) | 0.04 | 0.04 | 0.04 |
アスコルビン酸 / ビタミン C (mg / 100 g) | 2.00 | 2.20 | 5.00 |
コリン (mg / 100 g) | 111.20 | 88.18 | 110.20 |
エネルギー (カロリー / 100 g) | 359.40 | 498.20 | 379.80 |
栄養表示に必要な詳細情報については、サプライヤーにご相談ください。製品によって成分に差がある場合があるため、上記の成分範囲表は仕様確認の目的でお使いください。
たんぱく質
牛乳は、高品質のたんぱく質を豊富に含む製品として知られています。たんぱく質は、牛乳の総無脂肪固形分の 38% を占めています。さらに粉乳には、少量のさまざまな酵素が含まれています。総ミルクたんぱく質のうち、約 80% がカゼイン、20% がホエイたんぱく質です。カゼインには、アルファ カゼイン、ベータ カゼイン、カッパ カゼイン、およびガンマ カゼインがあります。ホエイたんぱく質 (別名乳清たんぱく質) は、酵素や酸によってカゼインが凝固しても可溶性を保持するたんぱく質です。ホエイたんぱく質には、ベータ ラクトグロブリン、アルファ ラクトアルブミン、血清アルブミン、免疫グロブリン、プロテアーゼ ペプトンが少量含まれます。
たんぱく質の構成要素はアミノ酸です。合計で約 20 種のアミノ酸が含まれ、そのうちの少なくとも 9 種は必須アミノ酸です。粉乳には、これらすべての必須アミノ酸に加え、子供が摂取すべき他のアミノ酸が豊富に含まれています。中でもリジンは興味深く、穀物や植物性たんぱく質を含む食品を主食にしている人々にとって、含有量が最も少ない制限アミノ酸となっています。
牛乳に含まれるたんぱく質量だけを見ても、牛乳や乳製品が食事に不可欠な要素であることが分かります。
一般的な粉乳に含まれる必須アミノ酸
アミノ酸 (g / 100 g) | 無脂肪ドライ ミルク (NDM) / 脱脂粉乳 | 全脂ドライ ミルク / 全脂粉乳 |
---|---|---|
イソロイシン | 2.24 | 1.61 |
ロイシン | 3.43 | 2.47 |
バリン | 2.40 | 1.73 |
メチオニン | 0.86 | 0.62 |
フェニルアラニン | 1.70 | 1.22 |
トレオニン | 1.61 | 1.16 |
トリプトファン | 0.49 | 0.35 |
リシン | 2.72 | 1.96 |
ヒスチジン | 0.92 | 0.66 |
炭水化物
粉乳に含まれる主な炭水化物である乳糖は、牛乳の総無脂肪固形分の約 54% を占めています。さらに粉乳には少量のオリゴ糖、グルコース、ガラクトースも含まれています。研究者たちは、急速に発達する乳児の脳において、ガラクトースが特別な役割を果たしている可能性があると考えています。乳糖は、生まれたばかりのすべての哺乳類が初めて大量に摂取する唯一の炭水化物です。乳児の場合、乳糖の一部が結腸に入り、そこで有益な乳酸菌の増殖が促されます。この乳酸菌は、胃腸障害の改善に役立つ場合があります。
また、乳糖はグルコースやフルクトースよりも消化に時間がかかるため、糖尿病患者にとっても比較的安全であると考えられています。甘味料のように血糖値の急激な上昇を引き起こすことはないため、糖尿病患者の食事において優れた栄養源となっています。
さらに乳糖には、カルシウムの腸管吸収を促進する効果があることが分かっています。
一部の人々はラクターゼ活性が低下したラクターゼ活性非持続性と呼ばれる状態にあるため、乳糖を代謝するのが困難です。しかし、最近の研究によって、ラクターゼ活性非持続性の人々の大半は、食事と一緒に摂取すれば、1 日 あたり 250 - 500 ml の牛乳に含まれる分量の乳糖を吸収できることが示されています。
脂質
乳脂肪は、乳製品および乳成分を含む食品の見た目や食感、風味に特有の性質を与え、豊かな味わいを引き出します。さらに、エネルギー、必須脂肪酸、脂溶性ビタミン、その他の健康増進成分の供給源にもなっています。乳脂肪は、多様な脂肪酸に加え、鎖の長さによっても特徴づけられます。乳脂肪の脂肪酸誘導体は、これまでに 400 種類以上確認されています。
乳脂肪には共役リノール酸 (CLA)、スフィンゴミエリン、酪酸、ミリスチン酸など、複数の成分が含まれており、これらには主要な慢性疾患を防ぐ効果がある可能性が最新の科学によって示されています。実験動物を使用した研究により、乳脂肪には骨の健康を増進させる効果もあると推測されています。
ビタミン
牛乳には、人間の成長に不可欠なビタミンが豊富に含まれています。粉乳に含まれるビタミンは、原料となる液体ミルクに含まれるビタミンと類似しています。ビタミン A、D、E、および K は、牛乳の脂肪成分に関連しているため、低脂肪粉乳よりも全脂ドライ ミルク / 全脂粉乳に多く含まれています。
ビタミン A は、視覚、細胞分化、成長、生殖、免疫能力において重要な役割を果たします。ビタミン D はカルシウムとリンの腸吸収を促進する脂溶性ビタミンであり、生涯にわたって骨の健康的を維持するうえで不可欠な成分です。ビタミン E (主にトコフェロール) は、フリーラジカルによる酸化損傷から細胞膜とリポタンパク質を保護する抗酸化物質です。このビタミンは、細胞膜を完全な状態で維持し、免疫反応を活性化させる役割も果たします。ビタミン K には血液凝固作用があり、骨の健康を維持する効果もあります。
牛乳やその他の乳製品には、必須の脂溶性ビタミンに加え、人間が必要とするすべての水溶性ビタミンがさまざまな割合で含まれています。
ミネラル
ミネラルは 2 種類に分類されます。1 つは単にミネラルと呼ばれ、1 日の食事で 100 mg 以上摂取する必要があるものです。もう 1 つは主に微量元素と呼ばれ、1 日あたり 100 mg 未満の摂取が必要なものです。粉乳と乳製品は、主要なミネラル、特にカルシウム、リン、マグネシウム、カリウム、亜鉛などの微量元素の重要な供給源となっています。
カルシウムは、世界中の人々の間で最も欠乏しているミネラルの 1 つです。粉乳などの乳製品は、カルシウムの豊富な供給源となっています。粉乳は、カルシウムが不足している他の製品を強化する成分として使用できます。
カルシウムは、骨を健康な状態に保ち、骨粗鬆症を予防するうえで重要な役割を果たします。骨の健康は大きな懸念事項になっています。最近、1 日あたりのカルシウムの推奨摂取量が修正され、ほぼすべての年代において、その値は引き上げられました。
カルシウムは、神経伝達、筋肉収縮、心拍、血液凝固、エネルギー生成、免疫機能の維持においても欠かせません。