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濃縮ミルクたんぱく質 (MPC)

MPC濃縮ミルクたんぱく質 (MPC) はろ過 (限外ろ過および透析ろ過) 処理によって得られる成分です。基本的には、最終製品の原料となる生乳に存在するすべてのカゼインとたんぱく質が含まれています。そのため、別途抽出したカゼイン (カゼイネート) やホエイたんぱく質を加えなくても、カゼインとホエイたんぱく質の含有率が、原料である生乳と同じ割合 (約 80:20) になっています。

一般的に、MPC のたんぱく質含有量が増えるほど、乳糖の量は減ります。たとえば、無脂肪ドライ ミルク (NDM) にはたんぱく質が約 34% - 36%、乳糖が52% 含まれているのに対し、MPC 42 にはたんぱく質が 42%、乳糖が 46%、さらに MPC 80 にはたんぱく質が 80%、乳糖が 5 - 6% 含まれています。なお、MPC 製品は製品中のたんぱく質含有量を表す番号によって識別されます。


濃縮ミルクたんぱく質 (MPC) の成分

製品たんぱく質 %脂質 %乳糖 %灰分 %水分 %
MPC 40 39.5 min 1.25 max 52.0 max 10.0 max 5.0 max
MPC 42 41.5 min 1.25 max 51.0 max 10.0 max 5.0 max
MPC 56 55.5 min 1.50 max 36.0 max 10.0 max 5.0 max
MPC 70 69.5 min 2.50 max 20.0 max 10.0 max 5.0 max
MPC 80 79.5 min* 2.50 max 9.0 max 8.0 max 6.0 max
MPC 85 84.5 min* 2.50 max 8.0 max 8.0 max 6.0 max

(*) たんぱく質含有量の報告値は無水ベースで 80% 以上。その他のパラメーターはすべて 2014 年に aAmerican Dairy Products Institute によって報告された基準値どおり。


ラベル表示

MPC のラベルには、最終製品のたんぱく質含有量が表示されています。 

一般的な用途

現在、MPC はプロセスチーズ、クリームチーズ、アイスクリーム、ヨーグルト / 発酵乳製品、食事代替飲料といった製品の製造に使用されています。使用する MPC の種類によって、用途や配合が変わります。基本的には、低たんぱく質の MPC はチーズの原料として使用され、高タンパク質の MPC は飲料やバー製品に使われています。こうした MPC は、無脂肪ドライ ミルク (NDM) や脱脂粉乳を必要とし、かつ高レベルのたんぱく質 (従来はカゼインやカゼイネートを使用) が必須である製品の原料として用いられています。